iPlayer DS

東京出張にいくひとから「秋葉原よるんだけどなんか買ってく?」というお誘いがあった。で、前からちょっと気になってた「iPlayer」を買ってきてもらうことにした。

http//www.dsiplayer.com

  • DSiで起動できる。
  • Homebrewは起動できるが、正規カートリッジのROMは起動できない。
  • 動画用デコードチップを載っけることで、本来スペック不足のDSでも動画再生ができる。


DSiはSlot2(GBAスロット)廃止され、Play-yan microが使えなくなったことで、動画の再生手段がなくなった。で、その穴をうめるかのようにこういった製品がでてくるのはおもしろい。

カートリッジのROMイメージの起動を抑制することで「マジコン=割れ物ROM」というイメージが染み着いてしまったマジコン製造業者が生き残りを計ろうとしているではないかと思うところもあるが、興味本位でHomebrewをいじりたい俺個人としては、それでクリーンになるなら是非ともやってもらいたいところではある。

で、実際DSLiteで起動する分には問題なかった。適当な動画が無いので、Youtubeから落としてきたFLVファイルを再生したが、HQ版でなければ再生はスムーズだった。HQ版では再生につっかかるところがあったのは、内蔵チップの限界か。

内蔵チップの型番を見たらなにかわかるかと思い、分解しようとしたが、分解するまでもなく表のステッカーをはがしたらチップが剥ぎだしになっていた。ステッカー表面を触るとボコボコとタイル状の感触があったのでまさかとは思ったが、やはりチップが厚すぎて通常のカートリッジに収まらず、仕方なくステッカーを張ってカバーとしたんだろう。なんとも力技だな。

チップの配置の様子。3つのチップの型番を調べてみた。

  • フラッシュメモリ(写真左上)
    • メーカー:SST
    • 型番:SST39VF040-70-4C-WHE
    • 5124K x8CMOS Multi-Purpose Flash (MPF)
  • デコーダチップ(写真右上)
    • メーカー:AMLogic
    • 型番:AML3405
    • HIGH DEFINITION TOTAL SOLUTION HD A/V PROCESSOR (AML3400シリーズ)
  • DRAM(写真下)
    • メーカー:Hynix
    • 型番:HY57V561620CLT-HI
    • 2Bank x 512K x 16bits Synchronous DRAM

デコーダチップとDRAMの組み合わせで動画・音声再生を司り、フラッシュメモリにはブート領域(本来のマジコンとしてのプログラム)を格納してあると想像できる。

フラッシュだけならもっと薄いものを使えたんだろうけど、残り2つのチップのかねあいもあってこうなったんだろうな。

QuakeDSを起動してHomebrewを試したところ、ふつうに動いた。拡張メモリ版で動かしたがSlot2に差した3in1 Extension PackのSRAMは認識されなかったが、これはSC DSOneでも認識しなくなっていたので、おそらくしばらく使ってなかった内蔵キャパシタの充電量が足りなくて起動しきれなかったんだろう。

で、問題のDSiで動かしてみたわけだが・・・

マニュアルには「最新ファームウェアにして起動した後、エラー画面で2分間放置しろ」と書いてあった。
iPlayerのアイコンを起動すると確かにエラーメッセージが表示された。これって噂に聞くDSiのマジコン対策か?

で、マニュアルどおり2分ほど放置して再起動すると


・・・なんじゃこりゃ。「Fish Tycoon」って何だ?
とりあえずそのまま起動すると、たしかにiPlayerが起動したが、なんでカートリッジのタイトルが変わるんだろう。

ということでこのタイトルで検索すると、どうやらそういうソフトがあるらしい。DSの起動メニューに表示されるアイコンとタイトル名はカートリッジ自体(つまりROM)に記録されている。おそらくDSiのマジコン対策では、これらROMのヘッダ領域をチェックして、マジコンのヘッダだったらアウトと判定しているんだろう。で、これを切り抜けるために正規ROMイメージをまるまるパクってブート領域とした・・・・

って、これじゃぁたとえ割れ物ROMイメージをiPlayerから起動できなくても、iPlayer自体がアウトじゃねぇ?

なんだかなー

結局、DSiの「マジコン対策」をまともにクリアはできていないことがわかった。今DSi向けマジコンがどの程度流通しているのかはわからないが、おそらくこのiPlayerと同様の手法でくぐり抜けているんだろうと予想できる。つまり「Homebrewをいじりたいのでマジコンを使う」ということもできないということになる。ダメじゃん・・・。

HomebrewをいじるならDSi非対応版しかないのか。なんとも残念な結果に
・・。


で、問題は手元のiPlayerをどうしようか、ということだ。ヘッダ流用を行っているっぽい(ブラックっぽい)のでこのまま使うつもりはさらさらないが、カートリッジ本体のデコーダチップはなにかに流用できるかもしれない。この手の組み込みチップを単品ロットで購入することは個人では難しいので、デコーダチップを取り出して他の機器に組み込むことを検討してみたりしている・・・のだけど、このチップを使った回路図を探して見るも、そうそう見つかるものでもない。汎用性の高そうなSRAMフラッシュメモリならなんとかなるかも。

とりあえずお蔵入りにして様子見か。