同業者でも話せたり話せなかったりするわけで

会社帰り、今年から名古屋に転勤した同業者の喪友Tのことを思い出し、呼び出してみる。いつも電話がつながらない奴なのでダメ元だったが、諦めて電車に乗る直前にコールバックが入った。話を聞くとどうやら自宅の途中の駅までは同じ方向らしいので、乗り換え駅で落ち合うことになった。

喪友Tは小学生時代の数少ない友人の一人で、大学理系卒・東京の大手ITに就職した(少なくとも俺からすれば)ハイスペックエリートだ。フツメンだし社交性も悪くないし、もうちょっと道が違ってたら喪男にはならなかっただろう。


久々に会ったTは、なんだか昔より妙に楽な顔をしていた。俺が東京に居たころに2〜3度飲みに行った事はある。あのときはストレスで憔悴し、頭頂部は薄くなり、二言目には「地元に戻りたい」を繰り返すボロ雑巾だった。念願の地元近隣勤務に切り替わり、精神的に負荷が減ったのだろう。奴の笑顔を見れて俺も安堵する。

居酒屋で2時間ほど話をしたが、大したことはなにも話していない。いつもの通りゲームやバイクやプログラミング、新しいところだとニコ動ネタか。転勤先の名古屋支社は俺の就職先のすぐそばらしい。だとすると、仕事の話はちょっとしづらい。

同業者の喪友は専門学校時代にもいるが、地域が微妙に近すぎて仕事の話はあまりできなかった。名古屋という地域性もあるかもしれないが、意外に狭いこの業界、下手な話はあまりできない。もう愚痴をこぼせる奴も居なくなってしまった。


これからお互い忙しくなりそうなので、飲みに行ける機会もしばらくはないだろう。願わくば、お互い精神的に病まずに仕事ができればいいと思う。なるべく。