彼女が欲しい

そんなふうに考えていた
鯛男だった時期が俺にもありました。


そういや、俺っていつから喪男だったんだろう。少なくとも十代終りごろは鯛だった。
二十歳になって、行かなきゃいいのに成人式なんぞに顔を出して、中学校時代のDQN(それもそこらの茶髪ヤンキーみたいなのじゃなく、暴力沙汰の前科を自慢するような)に(まさに字の通り)首根っこ掴まれて同窓会に引きずり出されて、「なんでこうなるんだろう」と思い始めて、社会に出て、仕事できて童顔で実家資産家で里帰中の国内線で知り合ったスチュワーデスと出来婚した俺に対してすら性格のいい給料は俺より良くてしかも23歳(俺は当日26歳)のSEと喫煙所で知り合ったり、社内ベンチャーで会社興してニュースに取り上げられたりする31歳をみたりして、やっと「ああ、無理」と理解したところ辺りではっきりと自覚した感じか。

そういえば、幼稚園のころ、園内にみんながよく遊ぶ石垣があって、俺はみんなが遊んでいるあいだそこに行けなかったから、みんながグランドでサッカーやってる時に石垣で独り秘密基地ごっこしてた記憶が蘇ってきた。誰からも邪魔されなくて、石垣を独り占めできた貴重な時間だった。
やっぱり人が集まるような場所は駄目だな。誰もいないところで好きかってに遊ぶのが一番楽だ。

つまりすでに園児の頃から喪だったと。

ならば今の喪具合も至極当然の結果な訳だ。納得。